私はこれまで投資というものに縁がありませんでしたが、常に不労所得を得たいという考えは持っていました。
小説を発表して印税を得たり、最近流行しているスマートフォン向けのゲームをリリースして課金による収入を得るなどの方法を考えていましたが、そういったことを実現するには時間と才能が必要であり、会社勤めの私にはほぼ不可能でした。
あるとき、書店で並んでいる不動産投資の本を見つけ、会社勤めをしている普通のサラリーマンでも実践できるという文言を見たことがきっかけとなり、挑戦してみることにしました。
不動産投資の壁
不動産投資を行うにあたって、最初に問題となったのが資金です。
株式投資や為替投資は10万円程度の少額でも始めることが出来ますが、不動産は物件を所有しなければならないためまとまった金額の資金が必要になります。
ずっと貯金をしてきたためある程度の蓄えはありましたが、都内のマンションや戸建てに投資できるほどの資金はありません。
書籍には銀行で借りることも検討するべきだと書いてありますが、最初の投資から借金を抱えてしまっては、私の性格的に利息が増えていくことに耐えられず値上がりを待てないため避けたいのです。
そこで、考え方を変えて、不動産売買による価格差を利益とするキャピタルゲインではなく、不動産物件を他人に貸して得られる家賃を利益とするインカムゲインを狙うことにしました。
インカムゲイン狙いの投資であれば、アパートの一室を保有しているだけでも出来るため数千万円という投資資金は必要ありません。
私が用意できたのは一千万円程度だったので、この金額内で良い物件を探し始めました。
一千万円程度の投資資金では、都内の好立地にある物件を手に入れることは現実的ではありません。
私は都内だけではなく埼玉県や神奈川県、さらには千葉県まで範囲を広げ、物件を探し続けました。
探す物件の基準は、大学の近くにある物件だということです。
大学に入学する新入生が部屋を借りてくれれば、ほぼ確実に4年間は家賃を支払ってもらえます。
卒業しても、大学の新入生は毎年いるため、次の入居者が決まりやすいという目論みがありました。
また、駅から近いことも大事な条件です。
私も大学生の頃はアパートで一人暮らしをしていたので分かりますが、大学生は大学とアパートを往復するのではなく、休日になると街に出て遊びたくなるのです。
また、一人暮らしをしている友人宅で飲み会をすることもあり、駅に近ければ近いほど便利であることは明白です。
そういった考えを持っていた私は、大学とアパート、アパートと最寄り駅の距離がそれぞれ徒歩で10分以内にある物件をターゲットにしました。
探し方は、まず関東圏にある駅から近いキャンパスを持つ大学をリストアップし、キャンパスと駅に間にある分譲物件を調査します。
そして空き室があれば築年数や内装、そして価格などをみて投資に向いている物件か否かを判断するのです。
インターネットで調べることがほとんどでしたが、良い物件は実際に現地に赴いて内見をします。
売り主との交渉する場合は言い値で購入することはなく、20パーセント程度の値下げをお願いすることから話を始めます。
売り主にとっても分譲物件は保有しているだけで税金を取られるため早く売ってしまいたいのが本音で、買い手である私にとっては強気で交渉が出来るのです。
不動産投資をしてみて
そして、ついに理想の物件に巡り会えました。
購入したのは千葉県にある私立大学に近いマンションです。
キャンパスまでは徒歩7分、最寄り駅までは徒歩8分という近さで、東京まで乗り換えなしで到着するため大学生好みの物件だと言えます。
意外と不動産相場が安かったため、アパートではなくマンションの一室を購入できました。
築年数は10年を越えていますが、リフォームをしてから2年しか経っておらず室内は現代風でお洒落です。
購入価格は約900万円で、この物件を賃貸に出し、一月の家賃を6万円に設定しました。
単純計算すると150ヶ月のインカムゲインで元が取れる計算になりますが、かなり安く購入できたため不動産価格の値上がりによるキャピタルゲインも期待できます。
現在は3年目に入っていますが、住んでいる学生は毎月きっちりと家賃を支払ってくれています。
また、景気が上向いてきたため物件の価格は購入時より上昇しています。
このままいけば予想よりも早く元本を回収できる見込みです。
何より、不労所得を得られているという事実が人生において豊かさを生み出してくれています。
これまでは我慢してきた嗜好品も買うことが出来るようになり、毎日が充実しています。
不動産投資にはリスクもありますが、不動産に関する知識を身に付けられることに加えて家賃収入という実益があり、目利きを間違えなければひとつの物件で大きな利益を得られる可能性もあるのです。
資金が貯まり次第さらなる投資を行う予定で、不動産投資をして本当に良かったと実感しています。
最終更新日 2025年7月8日