・需要の高さと市場価値が高い原油
原油は、現代社会に欠かせない大事な資源です。
非常に希少価値が光る資源でもあり、地球中の一部の地域でしか採掘されません。
米国や中東やロシアといった地域で主に採掘される資源であり、数ある天然資源の中でもひと際、市場での価値が高いです。
その理由ですが、原油の持つ需要の高さになります。
乗り物を動かす燃料として、プラスチック製品の素材として石鹸や洗剤の原材料として、衣類や日用品の素材として必要不可欠です。
見た目には分かりませんが、私たちのライフスタイルの中には、石油が原材料となった製品が数多くあります。
原油は日本人の暮らしを縁の下の力持ちとして支えるものです。
残念ながら日本列島は、資源にあまり恵まれていない地域です。
海の幸や山の幸といった、魚介類や農作物は豊富に作れる土壌がありますが、天然資源は他国に比べて採掘される量が少なくなっています。
石油や石炭なども一部では採掘可能ですが、いわゆる国の根幹を支えられるだけの量はありません。
広大な国土を誇る中国や米国やロシア等とは、持つ天然資源の量が残念ながら違っており、この点が日本のハンディキャップとなります。
・原油から作られるガソリンの需要も高いまま
その代わりとして日本の国は、交渉力と経済力を活かして主に親日的な中東の国々から原油を輸入しています。
シーレーンでも呼ばれる海の石油運搬ルートがあり、巨大なタンカーがタンクにたっぷりと貯め込んで日本まで大事な資源を運んで来てくれるのです。
まさにシーレーンは日本人の暮らしに欠かせない大事な海の道路であり、文字通り生命線とも言える箇所です。
以前シーレーン周辺に、海運業の人々を標的にした「海賊」が出没しました。
海賊と言えば、漫画や映画に登場するどこかフィクションの存在だと思われていますが、現実に確かに存在する脅威です。
海運業の船を狙い、他国に運ばれる資源や荷物を奪取する、非常に危険なリスクとなります。
米国や日本の国も海賊の存在は非常に危険視しており、大事な海運のルートを防衛するために、過去に米国海軍や海上自衛隊の船が派遣されました。
日本の国の製造業や物流、そして市民生活と経済活動を支える要が、運搬の最中に被害を受けては一大事です。
米国海軍や海上自衛隊、そして多国籍の警備、地元の人々の献身的な努力によって今では海賊行為は鎮静化し、シーレーンの治安は良好に保たれているのです。
昨今世間ではエコカーが流行っています。
EV車と呼ばれる電気エネルギーで走行する未来の車が、すでに社会に浸透し始めているのです。
ガソリン車は過去の乗り物になるのでは、という意見も徐々にささやかれ始めています。
シェアはEV車の割合が今後一層増すものと予測されていますが、ガソリン車が自然淘汰される確率は低いです。
EV車は環境に優しいクリーンエネルギーで走行出来るのが利点ですが、寒さに弱く寒冷地では安全な走行が困難です。
またコストパフォーマンスが高くなく、総合的な維持費の安さや馬力の良さを比較すればガソリン車に軍配が上がります。
そのため今後も一般的なマイカーやトラックやバスの需要は健在であり、ガソリンスタンドの需要も当然あります。
寒冷地や郊外の地域ではガソリンスタンドの需要が依然として高く、住民の方々が日常的に足としてマイカーを利用するため、国内のガソリンのニーズも今後安定的に発生します。
・石油を採掘する技術も向上しコスパが高くなっている
原油の価格は国際的な需要の高さによって決定されるのが特徴です。
ひと昔前は日本や欧米諸国が中心となって、産油国の資源を調達していました。
ところが近年では経済発展を劇的な速度を遂げた中国や東南アジア諸国の需要が急速に高まって来ているのです。
経済発展に石油は不可欠であり、今後ブラジルやアフリカ諸国が劇的に発展すれば石油の平均価格はより一層向上するでしょう。
一時期は中東情勢の不安定さから、安定した供給が難しくなるのでは危惧されましたが、近年では治安や政治情勢が比較的落ち着いており、先進国への提供は正常化しています。
さらに近い将来に原油は枯渇する資源だと言われて来ましたが、最近の調査と研究によって、最低でも後数百年は安定的に採掘出来ると分析されました。
専門家の見方によっては、そもそも石油とは限りある資源ではなく、自然環境の中で循環して地中の中で今後も自然発生していくのでは、と考えられているのです。
実際に昭和の頃は後、十年もすれば石油資源が枯渇して世界中が大混乱に陥るといった言説が多々ありましたが、現実はむしろ正反対でした。
石油を採掘する技術もひと昔とは雲泥の差となり、採掘される場所や頻度、その量も増加傾向にあります。
精製する技術も向上しており、以前は大量に採取しても純度の良い石油を抽出するのに時間とコストが大量に必要でした。
近年では、先進国の技術提供や精製技術のイノベーションなどによって効率が格段に向上し、僅かな採取量からでも高純度の石油が採掘出来るようになり、コストパフォーマンスの向上と品質の向上が同時に実現しているのです。
最終更新日 2025年7月8日